なんでも、店に入ると景気よく「いらっしゃいませ!」と言ってくれるらしい。
しかもフランス人が・・・!
気になるじゃないか、ということで行ってきました。
こだわりラーメン
オープンから3週間で、大きな広告はしていないものの、じわじわと口コミにより広がり、既に行列ができる店の仲間入りを果たしたこの店は、ジュリアンさんと、ジャン バチストさん、フランス人二人の共同経営ラーメン店。コンセプト立案からすべてにおいてなんと、日本人の手を介さずフランス人のみで出店。内装もさることながら味や麺にもかなりのこだわりがあるという。
それはどんなこだわりなのか?
まず、麺。
普通のフランス産小麦粉ではない。日本の小麦粉を使っている。
日本から輸入? 「ノンノン」、日本の小麦をフランスで作っています!
パリから東へ150キロほどいった、シャンパーニュ生産の中心地ランス。そこに小麦農場数ヘクタールを有し、日本から持ち込んだ小麦からこだわりの小麦を生産しているそう。
その小麦を挽き、これまた日本から持ち込んだという製麺機を用い、こだわりの麺を作っている。
パンの国フランスの小麦では醸し出せないもちっとした触感は日本の小麦だからこそ醸し出せるもの。入手しづらいのなら作ればいい。素材に妥協なし! こだわりだ。
小麦粉だけではない、スープも。
パリのラーメン屋は豚骨ベースが主流、その中ここ、こだわりラーメンでは鶏ベースのラーメンを提供している。スープに使用する鶏はフランス産を使用し、しかもラベルルージュ商品(Label Rougeフランスの食品の安全性と品質が保証されている食品に付与される/詳しい説明)を使って丁寧に取られた出汁。鶏ベースにかつおだしを絶妙なバランスで配合したスープなだけあって上品で脂こくなく、さらっとした味。懐かしさすら感じる。もともとはフレンチの畑で育ったジャン バチスト氏だったが、ラーメンへの情熱から日本での修行も経て現在の味を作り上げるまでに至ったという。
ラーメン屋だからそれくらい普通じゃないか、と仰るかもしれない。
日本人がそれを企画立案していたとしたら普通かもしれない。
だが、この店はフランス人によって成り立っている。そこがこの店のすごいところでもある。
そして内装。
ここは、どこだ? 日本? 思い出横丁?
郷愁すら覚える内装に不自然という言葉はない。だがこれはフランス人がフランス人の手によって再現した日本の懐かしい風景なのである。
細い路地(店内)を通って2階にあがると落ち着いたレトロ感たっぷりの自宅という設定の個室がある。最大で20名程度まで可能という個室は老舗の食堂といった雰囲気。ちょっとした小物にまでこだわりを感じる。店内のすべての装飾品を日本から運び入れているから違和感がないのにも納得がいく。床を見ればマンホールの装飾品まで。実物に忠実になるため日本のマンホールをシリコンで型を取りフランスに持ち帰り再現したという。マンホールの型どりをしている外国人を見たことがあるというなら、それは彼らだったのだろう(笑)。
ちなみに内装を監督したのは二人の友人の映画の舞台デザイナーだということもあり、映画のセットさながら、かなりリアルで懐かしい日本が表現されている。
どう見ても、路地裏な店内 |
さて、ラーメンの話に戻ろう。
こだわりラーメンの味は4種類。
地鶏醤油そば / 地鶏塩そば / 白湯そば / 黒ゴマにんにくそば
それぞれ12ユーロと、懐にも大分やさしい。
サイドメニューは豚チャーシュー丼と鶏そぼろ丼(6ユーロ)と枝豆(2.5ユーロ)。
その他、キリンビール、ソフトドリンク、茶類などもある。
この日私がオーダーしたのは地鶏塩そばだったが、端正であっさりした地鶏ダシのスープに正直驚いた。どんぶりの中の赤いものは湯引きしたオーガニックトマト。甘みとほんのりとした酸味が、あっさりとしたスープに程よいアクセントを与えていた。このほかにも、具に使用している野菜など、ほとんどがオーガニックの素材を使用しているなど、細部にいたるまでのこだわりで書ききれないほどだ。
久しぶりに味わった純粋で素直な味わいに私は"素"で「美味しい」と感じた。
メンマ・トマト・フライドオニオン・鶏肉・ロケットがトッピングされている |
現在カウンターにはジャン バチスト氏と日本人シェフのマサさんが。
日本語対応ができるのは店内この二人だけだが、"日本のサービス"を提供する店として、フランス人スタッフたちが一丸で頑張っているエネルギーあふれる店だった。
今後食券機の導入やネットオーダーシステムの導入など、さまざまな便利技を用いて流行っていくこと間違いなさそうです!
フランス人、やるな。日本人も負けちゃいられませんよ!
もぐもぐ、今日もごちそうさまでした!
こだわりラーメン Kodawari Ramen
住所 : 29 rue Mazarine, 75006 Paris
メトロ : 4番 Odéon
営業 : 火~日12h-14h/19h-22h(金土-23h) 月休
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